「トムとジェリー」は、1940年に誕生して以来、世界中で愛され続けているアニメシリーズです。いたずら好きなネコのトムと、賢くて素早いネズミのジェリーが繰り広げるドタバタ劇は、多くの世代に親しまれています。そんな「トムとジェリー」には、「最終回が悲しすぎる」と話題になったエピソードや最終回の創作ストーリーが存在します。
このアニメは基本的に一話完結のコメディであり、シリーズ全体に明確なストーリーのつながりはありません。しかし、一部のファンの間で「これは最終回なのでは？」と噂される回がいくつかあります。
特に有名なのが、1956年に放送された「ブルーカットブルース (Blue Cat Blues)」というエピソードです。この回のラストシーンがあまりにも衝撃的だったため、「トムとジェリーの最終回」と誤解されることが多いのです。
本記事では、この「ブルーカットブルース」のストーリーを詳しく解説し、なぜ「最終回」として語られるようになったのかを探っていきます。また、「トムとジェリー」シリーズが実際にはどのように続いているのかについても紹介していきます。
ファンが作ったとされるトムとジェリーの最終回の創作ストーリーもあり!
Contents
トムとジェリーは本当に終わったのか？
「トムとジェリー」は本当に最終回を迎えたのでしょうか？ 結論から言えば、このアニメには公式な最終回は存在しません。1940年に初めて制作されて以来、いくつかの異なるシリーズが作られ、現在でも新作が制作され続けています。
シリーズの変遷
「トムとジェリー」は、もともとウィリアム・ハンナとジョセフ・バーベラによって制作されました。このクラシックシリーズは1940年から1958年まで続き、数多くの名作が生まれました。しかし、その後もさまざまな制作会社やスタッフによって新しいシリーズが作られています。
チャック・ジョーンズ版の「トムとジェリー」が制作され、アートスタイルや演出に大きな変化が見られました。
「新トムとジェリー」「ドロシーと一緒にオズの国へ」などの作品が登場。
「トムとジェリーキッズ」「トムとジェリーの大冒険」など、映画やテレビシリーズとして何度もリブートされています。
「トムとジェリー（2021年映画）」や、最新のアニメシリーズ「トムとジェリー・イン・ニューヨーク」など、新しい作品が次々と公開されています。
このように、「トムとジェリー」は最終回を迎えたわけではなく、時代ごとに形を変えながら続いているのです。それにもかかわらず、「最終回」として語られるエピソードがあるのはなぜでしょうか？
なぜ「最終回」として誤解されたのか？
このエピソードは、通常の「トムとジェリー」と比べて異例の暗い結末を迎えるため、ファンの間で「最終回なのでは？」という噂が広まりました。特に、ラストシーンで列車の音が近づく演出が「二匹の最後」を暗示しているように思われたことが、誤解の原因になったと考えられます。
しかし、実際には「ブルーカットブルース」はシリーズの途中に制作されたエピソードであり、これ以降も新しい話が作られ続けています。そのため、このエピソードが「公式な最終回」ではないことは明らかです。
最終回と噂される「ブルーカットブルース」の衝撃の結末！
1956年に放送された「ブルーカットブルース (Blue Cat Blues)」は、「トムとジェリー」の中でも異色のエピソードとして知られています。通常のコミカルなドタバタ劇とは異なり、トムとジェリーの感情的なストーリーが描かれており、そのラストがあまりにも悲しいことで有名です。
あらすじ
物語は、トムがとても美しい雌猫に恋をするところから始まります。彼は彼女を喜ばせようと努力しますが、そこに現れたのは大金持ちのライバル猫でした。ライバル猫は豪華なプレゼントや高級車を使って彼女を口説き落とし、最終的にトムは失恋してしまいます。
失意のどん底に落ちたトムは酒に溺れ、何もかもに絶望していきます。さらに、ジェリーもまた恋人を失うという悲劇に見舞われます。傷心の二匹は、線路の上に座り込み、遠くから近づいてくる列車の音が聞こえる中でエピソードは終了します。
トムとジェリーの最終回と噂されたブルーカットブルース (Blue Cat Blues)の動画
公式にシリーズは続いている？ファンの間で語られる都市伝説とは
「トムとジェリー」の最終回に関する噂は、「ブルーカットブルース」以外にもさまざまな都市伝説として語られています。
都市伝説①：未公開の最終回が存在する？
一部の噂では、「最終回として制作されたが放送されなかったエピソードがある」と言われることがあります。しかし、これに関する公式な記録はなく、実際にはそのようなエピソードは存在しません。
都市伝説②：トムとジェリーは仲良しだった？
「実はトムとジェリーは仲良しで、トムはジェリーをわざと逃がしていた」という説もあります。これは一部のエピソードでトムがジェリーを助ける場面があることから生まれた噂ですが、公式にそのような設定はありません。
トムとジェリーの最終回(創作ストーリー)
これは『トムとジェリー』の最終回として一部ネットで広まり、多くの人に感動を与えた創作ストーリー（フィクション）です。公式なアニメのエピソードではありませんが、その美しい構成と感情描写から、ファンの間で「これが最終回だったら泣ける」と話題になったことがあります。
■トムとジェリーの最終回(創作ストーリー)
ジェリーが大人になった頃トムはもうこの世にいませんでした。
トムは自分の命の終わりがすぐ傍まで来ているのを知ったとき、
こっそりジェリーの前から姿を消しました。
ジェリーの前で弱って涙もろくなった自分を見せたくなかったのです。
トムはジェリーの心の中ではずっと喧嘩相手として生きつづけたかったのです。
トムがいなくなったのに気づいたときジェリーは悲しみはしませんでしたが、退屈になるなと思いました。
トムとの喧嘩は最高にスリルのあるゲームでしたから。
胸の奥が不思議にチクチクはするのですが、
それが何なのか、 ジェリーにはよくはわかりませんでした。
トムの願い通り、ジェリーの心の中でトムはいつまでも仲の悪い喧嘩相手でした。
そんなある日ジェリーの前に一匹の猫が現れました。
トムよりのろまで体も小さい猫です。
喧嘩相手のトムがいなくなって寂しかったジェリーは、
今度はこの猫を喧嘩相手にしようと考えました。
そこでジェリーは、
穴のあいた三角チーズが仕掛けられたねずみ取りを利用して、
その猫に罠をかけることにしました。
いつもトムにしていたように。
ジェリーは物陰に隠れて、ねずみを求めて猫がねずみ取りの近くに来るのを待っていました。
そして思惑通り猫が罠に向かって近づいてきます。
ジェリーはしめしめと思いました。
いつものように、自分がねずみ取りにひっかかるふりをして、逆に猫をねずみ取りにかけてやるんだ。
うふふ。
手か尻尾を挟んだ猫の飛び上がる姿が頭に浮かび愉快です。
でも、その猫はトムではありません。
猫はチーズの近くまで来たとき、ジェリーが出てくるより早く美味しそうなねずみの匂いに気づき、
目にもとまらぬ速さで隠れていたジェリーに襲いかかってきました。
ジェリーはいつもトムから逃げていたように逃げましたが、
トムよりのろまなはずの猫にすぐに追いつかれてしまい、体をガブリと噛まれました。
ジェリーも噛みつき返しましたが、 トムより体が小さいはずの猫は平気です。
血まみれのジェリーは薄れ行く意識の中で、本当は鼠が猫と喧嘩して勝てるわけがないことと、
いつもトムはジェリーに「してやられた」ふりをして、
わざとジェリーを捕まえないでいたことを、そのとき始めて知ったのです。
トムの大きな優しさと友情に気づいたのです。
そしてトムがいなくなった時の胸の奥のチクチクの正体にも気づきました。
かけがえのない友を無くした悲しみでした。
ジェリーの魂が体を抜けた時、空の上には優しく微笑みジェリーを待っているトムがいました。
「また喧嘩ができるね」
「のぞむところさ、今度こそは捕まえてやるぞ」
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